ヤマハサウンドシステム株式会社

ワイヤレスマイクシステム 
アンテナから受信機への伝送の注意点とは?

アンテナから受信機までの伝送

ワイヤレスマイクシステムは、アンテナで受信した電波を電気信号(以下、信号)に変換して、受信機まで同軸ケーブルで伝送を行います。安全に運用するには、安定した信号を受信機に届けることが大切です。伝送経路で信号が減衰してしまうと安定した信号を届けることができません。信号の減衰には、同軸ケーブルの線種と伝送距離が大きく影響します。ワイヤレスマイクシステムの製品ごとに同軸ケーブルのインピーダンスや伝送する周波数帯域が開示されています。使用する同軸ケーブルが、ワイヤレスマイクシステムを構成する製品の仕様に合っているか、アンテナから受信機でどの程度の減衰があるかを確認しましょう。

アンテナから受信機までの伝送による減衰量

アンテナから受信機までの減衰量は、信号の周波数とケーブルの太さ(口径)に関係します。ワイヤレスマイクシステムごとにインピーダンスは異なり50Ωや75Ωが代表的な仕様です。これらの仕様に合った同軸ケーブルはD型またはC型という線種です(表1参照)。

次に、ケーブルの仕様書にある減衰量を確認します。減衰量は、ある距離(10mや100m単位)に対して、どのくらい減衰するのか記載されています。減衰量は周波数が高いほど多くなり、ケーブルの口径が細いほど多くなります。(表2参照)そのため、アンテナと受信機をつなぐ系統ごとに減衰量を確認して、受信機が安定して信号を受信できるケーブル太さを選定していきます。

表1 インピーダンス(オーム型)

表1 インピーダンス(オーム型)

表2 減衰量

表2 減衰量

例)800MHz~900MHz帯域のワイヤレスマイクシステムを使用し、アンテナから受信機までの距離100mを伝送する場合の減衰量

・同軸ケーブルの線種: インピーダンス50Ωの低損失タイプで口径(絶縁体外径寸法)約5mmの同軸ケーブル(5D-FB)

・同軸ケーブルの仕様(減衰量) :900MHzを100m伝送時-20dB

・アンテナから受信機までのケーブル長さ:100m(図1)、100mと50mの比較(図2)

※ 同軸ケーブルの仕様は製品によって異なるため、メーカーの仕様書などでご確認ください。

図1 アンテナから受信機までの伝送による減衰

図1 アンテナから受信機までの伝送による減衰

図2 距離による減衰量の違い

図2 距離による減衰量の違い

減衰を補うブースター

減衰量が多い場合、それを補うためにブースター(増幅器)使用します。ブースターはメーカー推奨のものを選定するようにしましょう。 過度な増幅量のブースターを使うと、受信機がオーバーロード(過大入力)していまい、音が途切れてしまうことがありますので、ご注意ください。(図3参照)ダイバーシティ機能を搭載したワイヤレスマイクシステムでは、アンテナAとBから受信機までの距離が異なる場合も、距離に応じてブースターの増幅量を検討することをお勧めします。(図4参照)

図3 不適切なブースターの使用例

図3 不適切なブースターの使用例

図4 適切なブースターの使用例)

図4 適切なブースターの使用例

ワイヤレスマイクシステムの導入は、同軸ケーブルでの伝送を考慮する必要があります。ホール、劇場などワイヤレスマイクの使用範囲が広い場合は、混合器を使用して受信機のアンテナA/Bの入力それぞれに対してアンテナを2本ずつ立てることもあります。(図5参照)この場合、それぞれのアンテナから送られてくる信号のバランスが悪いとどちらかに偏ってしまいます。そのため、アンテナを複数使用する場合は、図6のようにアンテナの回線ごと(配線ケーブルごと)に減衰量を計算して受信機の入力が等しくなるようブースターを選定します。受信機にバランスよく信号が入力され、安定した運用ができるようになります。

図5 受信機の入力のバランスが悪い例

図5 受信機の入力のバランスが悪い例

図6 受信機の入力のバランスが良い例

図6 受信機の入力のバランスが良い例

まとめ

ワイヤレスマイクシステムを導⼊する際は、伝送で利⽤する配線などで起きる信号の減衰を確認して、受信機に安定した信号を届けられるようにしましょう。特に機器の入替(改修など)で、すでに導入されている同軸ケーブルを再利用する場合は注意が必要です。既存の同軸ケーブルが、新たに導入する製品の仕様を満たしているか確認しましょう。

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