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公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
副館長 高萩 宏 様
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幕あい 特別号外 2
「新型コロナウイルスの影響と
自粛解除後の公共劇場の再開について」

公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
副館長 高萩 宏

公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場 
副館長 高萩 宏 氏(写真 右) 
ヤマハサウンドシステム株式会社 
代表取締役 武田 信次郎(写真 左)

公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
副館長 高萩 宏 氏(写真 右)
ヤマハサウンドシステム株式会社
代表取締役 武田 信次郎(写真 左)

「幕あい」とは、一幕が終わって、次の一幕が始まるまでの間。舞台に幕が下りている間のこと。このシリーズでは、ヤマハサウンドシステムが日頃お世話になっているホール・劇場の世界を牽引するキーマンの方々に、市場のトレンドやヤマハサウンドシステムへの期待などを、その仕事の「幕あい」に語っていただきます。
今回は「幕あい 特別号外2」として、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者急増によるイベント自粛から緊急事態宣言期間中の対応や、再開への対策、そして「withコロナ時代」となるこれからのホールや劇場での公演にあり方について、東京芸術劇場 副館長 高萩 宏氏にお話をうかがいました。また文末で東京都内の公共ホールで緊急事態宣言以降初となった6月18日のコンサートの開催状況についてもレポートします。

(※ 対談日:6月12日。記載の情報は6月12日時点のものです。文末コンサートレポートは6月18日に取材)

プロフィール 高萩 宏(たかはぎ ひろし)

プロフィール 高萩 宏(たかはぎ ひろし)
1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院アーツ・アドミニストレーション学科中退。劇団夢の遊眠社創立メンバー。1989年の退団後は、英国でのジャパン・フェスティバル1991はじめ、東京演劇フェア、東京国際芸術祭などの運営に携わる。パナソニック・グローブ座支配人、世田谷パブリックシアター制作部長を経て、2008年4月より現職。2000年より2002年まで東京大学大学院文化資源学客員教授、2003年より多摩美術大学芸術学科任期制教授、2006年より客員教授。2007年より12年まで文化庁文化審議会文化政策部会委員。著書「僕と演劇と夢の遊眠社」日本経済新聞出版社2009年。共著「企業メセナの理論と実践」水曜社2010年。共著「劇場空間への誘い」鹿島出版社2010年。

2/26のイベント自粛宣言、そして4/7の緊急事態宣言からの休館

武田:このたびは、開館して間もないご多忙な時にお時間をいただきまして、ありがとうございます。本日は「幕あい 特別号外2」として、東京芸術劇場がコロナ禍にどのように対処したのか、そして再開についてどのような取り組みをされているのか、さらに2020年が東京芸術劇場の設立30周年ということで、今後のことなどについてお話をおきかせください。よろしくお願いします。

高萩氏:よろしくお願いします。

高萩氏:よろしくお願いします。

武田:東京芸術劇場は、緊急事態宣言が出た4月7日から6月8日まで2ヶ月を越える休館となりましたが、その前から新型コロナウイルスによる影響はあったのでしょうか。

高萩氏:新型コロナウイルスが海外、特に中国で猛威を振るい始めていることについては1月ぐらいから情報は入っていました。というのも東京芸術劇場の芸術監督を務める野田秀樹が『One Green Bottle』という作品で台湾とニューヨークの公演を2月末から3月にかけて予定していましたので、現地のスタッフと頻繁に情報をやりとりしていましたし、今年は東京オリンピックの関連行事や10月に東京芸術劇場が30周年を迎えますので、それを記念した国際的な事業を多く抱えていました。そのため海外のコロナの感染状況は常に注視していました。

武田:東京芸術劇場の催しで、実際に影響が出てきたのはいつ頃からですか。

高萩氏: 2月の中盤ぐらいから当館でもキャンセルが出はじめました。ただその時はまだ「大変だけど、インフルエンザがちょっと酷くなったもの」という程度の認識で、これほどの事態に陥るとは考えていませんでした。

武田:状況が大きく動くのは2月26日のイベント自粛要請からですか。

高萩氏:そうですね。直前の2月22日には東京芸術劇場主催のヴェルディ/歌劇『ラ・トラヴィアータ』というシアターオペラの公演を行い、お客さまも大勢いらっしゃって大変ご好評いただきました。でも翌23日の豊島区管弦楽団というアマチュアのオーケストラ公演は豊島区の指示で中止となりました。そんな感じで、やったりやらなかったりの状況の中、2月26日に政府からのイベント自粛要請があり、東京都もそれに従うことになります。とはいえ、まだ2週間ぐらい活動を自粛すれば収まるだろうから、一時的に自粛しよう、という雰囲気でした。

高萩氏:そうですね。直前の2月22日には東京芸術劇場主催のヴェルディ/歌劇『ラ・トラヴィアータ』というシアターオペラの公演を行い、お客さまも大勢いらっしゃって大変ご好評いただきました。でも翌23日の豊島区管弦楽団というアマチュアのオーケストラ公演は豊島区の指示で中止となりました。そんな感じで、やったりやらなかったりの状況の中、2月26日に政府からのイベント自粛要請があり、東京都もそれに従うことになります。とはいえ、まだ2週間ぐらい活動を自粛すれば収まるだろうから、一時的に自粛しよう、という雰囲気でした。

武田:2月26日以降も館としては動いていたのですか。

高萩氏:動いていました。あくまで自粛の要請でしたから、開催する/しないは主催者の判断でした。途中強い自粛要請が出た週末が2回ほどあり、その時は館として中止しましたが、予定されていた公演のうち、実際に実施した公演の割合は40%、30%とだんだん減りながらも、緊急態宣言が発出されるまでは稼働しました。そして4月7日の緊急事態宣言が出まして、翌日から当館は完全に閉館しました。緊急事態宣言が解除となって6月8日からは部分的に開館し、コンサートホールは6月18日のパイプオルガンコンサートから再開となります。

アーティストやスタッフなどコンテンツを支える「人」への支援が急務

武田:閉館中はどんなお仕事をされていたのですか。

高萩氏:決算業務と重なりましたのでその処理もありましたが、やはり大変だったのはプログラムやイベントのスケジュールの再調整です。しかもいつになったら再開できるかわからない状態での作業でしたので大変でしたし、海外アーティストが関係した公演もあるので、国内だけでなく常に海外の状況を注視していました。たまたまうちの『One Green Bottle』の公演を2月の末に台湾で行いましたが、翌週にその劇場が閉じてしまったんですね。そして『One Green Bottle』はそのままはニューヨークに行ったんですよ。そしてニューヨークで公演を2週間ぐらいして帰ってきたら、ニューヨークはその翌週からロックダウンでした。

武田:まさにギリギリだったのですね。緊急事態宣言中に予定していた催し物は延期になったのですか。

高萩氏:基本的には中止した事業は延期するという方向で調整を行っています。ただ簡単に延期できるわけではないので、そこが大変です。
東京芸術劇場は公益財団法人東京都歴史文化財団という庭園美術館、江戸東京博物館、写真美術館、現代美術館、東京都美術館、東京文化会館、アーツカウンシル東京という都内の美術館・劇場を束ねた財団に属しています。今回のコロナウイルスへの対応も各館の代表が集まってリモートで会議をして決めてきました。その時、モノを展示する博物館・美術館系の館と、人が演じる劇場系ではコロナウイルスへの対応に大きな違いがあるんだなと感じました。
美術館・博物館にとっても、劇場にとっても先の見えない閉館は大変なことです。でも展示物はあくまで「モノ」であって、数ヶ月待たせても食事が必要になったりとかしませんよね。もちろん倉庫代などはかかります。でも我々は劇団やオーケストラなど生身の「人」が表現するものです。ですから中止した公演がすんなり1ヶ月後にできるというものではありません。同じ芸術系でも「モノ」と「人」ではかなり違うということを強く感じました。

武田:公演中止中のアーティストやスタッフをどう支えるか、がとても重要ですね。

高萩氏:そこが一番重要だと思います。東京都も芸術文化活動支援事業「アートにエールを!東京プロジェクト」という都独自の事業を行っていますし、ほかにもさまざまな支援が行われていますが、そうした支援は公演など実際に「やったこと」に補助金を出すという形がほとんどです。でも、いまは公演ができないわけですから。公演が再開できない間のアーティストやスタッフの生活はどうしたらいいのか、ということになります。

文化の灯を絶やさないための緊急対策、芸術文化活動支援事業「アートにエールを!東京プロジェクト」 外部サイト

武田:海外ではドイツなどが芸術家への支援が早かったようですね。文化相が「文化は生命維持装置だ」と発言しました。

高萩氏:ドイツではモニカ・グリュッタース文化相が「アーティストは生命維持に必要不可欠な存在」と発言して大幅なサポートを約束しました。またフランスの場合はアンテルミッタンと言って、舞台や映画、視聴覚関係の仕事で働くフランスのアーティストや技術者のための失業保険があり、手厚い失業保険金が受け取れる仕組みがあります。舞台や映画って基本的に1本撮るとすぐには次がありませんよね。仕事から仕事の間が空くと業界を離れてしまうので、それをつなぎとめるために以前からフランスにある仕組みです。

武田:そういう仕組みは日本にはないんですよね。

武田:そういう仕組みは日本にはないんですよね。

高萩氏:日本は事業への助成しますが、人間国宝以外、人への給付は基本的にありません。今回の新型コロナウイルスではその問題が顕在化したと思っています。

武田:このままではアートの世界から人材が流出してしまうのではないでしょうか。

高萩氏:その通りです。いま改めて文化庁などと話しているのは「コンテンツを支えているのは人である」ということです。優秀なアーティストや技術者って、実際にはアートしかできないわけではなくて、頑張れば他のこともできる人が多いんです。だけどアートが好きで、そこに自分がいる意義を感じているのでアート業界に留まっているわけです。でも、もうアートの世界に未来がないと思ったら、他の業界に行ってしまう。ですから、早急にアーティストや技術者への救済策を講じないと、日本のコンテンツを支えているアート業界から人がいなくなりますよと言っています。

武田:優秀な人ほど先にいなくなってしまいますね。

高萩氏:そうなんです。ですから文化を守るには国が人に対して支援する仕組み、給付する仕組みを持たなければいけないと思っています。
舞台の業界は政府の自粛要請をいち早く受け入れて公演を中止しました。そして緊急事態宣言が解除されても、稽古ができていませんからすぐには始められない。結局、最も早く自粛して、最も遅く再開することになります。そんな舞台芸術を守るために、手厚い助成金を出してほしい、そうでなければ、日本の文化のコンテンツを支えている業界がなくなってしまう可能性すらある、ということを色々な形で政府に訴えています。

劇場再開に向けた動きと問題

武田:5月25日に緊急事態宣言が解除されました。それを受けて東京芸術劇場も再開されましたね。

高萩氏:東京芸術劇場は6月8日から再開しました。興行的には2020年6月18日のオルガンのコンサートからとなります。他には6月末に落語の公演がはいっていますが、6月に関してはほとんどキャンセルです。7月になるとポツポツ予定が入って、8月ぐらいからはほぼやる予定になっています。9月以降は現状、ぎっしり入っていますね。

高萩氏:東京芸術劇場は6月8日から再開しました。興行的には2020年6月18日のオルガンのコンサートからとなります。他には6月末に落語の公演がはいっていますが、6月に関してはほとんどキャンセルです。7月になるとポツポツ予定が入って、8月ぐらいからはほぼやる予定になっています。9月以降は現状、ぎっしり入っていますね。

武田:新型コロナウイルスの収束がまだまだ見えない状況ですが、東京芸術劇場としては開館後どのように運営されていくのでしょうか。

高萩氏:今後は我々自身が策定したガイドラインに従って運営していきます。緊急事態宣言後の開館に当たっては政府の新型コロナウイルス感染症対策本部から業界に「各業界側でガイドラインを作って運用してくれ」という依頼がきました。これは大変珍しいことで、今までのように上から落してくるのではなく、現場で作ってほしいと。おそらく守れないガイドラインでは感染症の拡大を防止する上で意味がないということだと思います。

「公益財団法人東京都歴史文化財団東京芸術劇場における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」 外部サイト

開館にあたって東京芸術劇場の入り口に掲示された「新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための皆さまへのお願い」。マスク着用、手洗い消毒、ソーシャルディスタンスの確保、ゴミの持ち帰りなどの協力を要請している。また対面でチケットを販売するボックスオフィスなどには飛沫感染防止のためのアクリル板が取りつけられた
開館にあたって東京芸術劇場の入り口に掲示された「新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための皆さまへのお願い」。マスク着用、手洗い消毒、ソーシャルディスタンスの確保、ゴミの持ち帰りなどの協力を要請している。また対面でチケットを販売するボックスオフィスなどには飛沫感染防止のためのアクリル板が取りつけられた

開館にあたって東京芸術劇場の入り口に掲示された「新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための皆さまへのお願い」。
マスク着用、手洗い消毒、ソーシャルディスタンスの確保、ゴミの持ち帰りなどの協力を要請している。また対面でチケットを販売するボックスオフィスなどには飛沫感染防止のためのアクリル板が取りつけられた

楽屋入り口の受付にはアクリル板の他、非接触型の体温計、手指消毒用アルコールなどが設置されている
楽屋入り口の受付にはアクリル板の他、非接触型の体温計、手指消毒用アルコールなどが設置されている

楽屋入り口の受付にはアクリル板の他、非接触型の体温計、手指消毒用アルコールなどが設置されている

武田:劇場における公演の今後の見通しですが、一番楽観的なシナリオではどうなりますか。

髙萩氏: 8月ぐらいから徐々に定員の5割、6割、7割とお客さまを受け入れられるようになり、9月か10月ぐらいからはフルキャパとなる。そしてこの秋冬に第2波が来なくて、その間にワクチンや特効薬が開発される、というのが理想のシナリオです。
でも実際には第2波、あるいは第3波もあるかもしれませんし、日本は感染率がまだかなり低いわけですから、感染リスクは相当期間残ると予想しています。コロナ収束までは相当注意を払いながら公演を行わなければならないでしょう。

劇場に足を運ぶことの価値が問われる時代

武田:観客数の制限は興行としては直接収益にかかわる大きな問題ですね。実際、席数はどうなるのですか。

髙萩氏:東京芸術劇場は東京都のロードマップに則って運営を行っているわけですが、現在(6月12日時点)まだステップ2ですのでイベントで集まれるのは100人まで。ですから6月18日のパイプオルガンコンサートも全席指定で100名限定のコンサートとなります。6月19日からはステップ3に移行して最大で1,000人までとなります。ただし席数は5割という制限がありますので、2,000名以上の会場でなければ1、000名まで入れることができません。そしてステップ4に入ると5,000人まで入れることができます。これも同じく1万人のキャパがあればですが。ただしこれらはコロナウイルスの感染状況で日々状況が変わっていますので、その都度変更されていくでしょう。

武田:当面の席数5割というのは厳しいですね。

髙萩氏:とても厳しいです。いわゆるイベント系、劇場系については8月1日以降人数の制限はなくなるのですが、「5割」の制限はロードマップに残っているんです。ただ興行側のガイドラインというのを出していて、席を空けたのと同等の措置があれば5割でなくても構わないということなので、マスク、フェイスシールドやフェイスガードなどさまざまなものを試していて、それらが距離をあけるのと同等の効果があることが認められれば、そちらに動くと思います。

東京芸術劇場コンサートホールでの客席50%のシミュレーションの様子

東京芸術劇場コンサートホールでの客席50%のシミュレーションの様子

武田:キャパ「5割」だとペイラインを割っているのではないでしょうか。

高萩氏:完全に割っています。公共劇場の私たちがペイラインと言うのは変ですけが、予算のラインは7割から8割です。ですからキャパの問題は厳しいです。第2波や第3波の可能性もありますからどのタイミングでどう緩和されるか。実際、コロナがこのまま順調に収束するのかは誰もわかりません。5年ぐらいたって振り返って、やっと「この時期のここが間違っていたよね。この判断は良かったね」と言えるようになるんでしょうね。

武田:劇場が再開しても、海外からアーティストを招聘しての公演はしばらく難しいでしょうね。

髙萩氏:今のところ8月、9月までは海外ものの公演予定はありません。もともと9月にはラトル&ロンドン交響楽団の公演が予定されていましたが、彼らも東京に行く以前にロンドンのことを考えなきゃいけないということで残念ながら中止となりました。今は10月以降どうしていくのかというのを、考えています。

武田:劇場を再開したとしても、お客さんの入り具合については予想できないですね。

髙萩氏:今はどなたも、改めて劇場に来ることの価値について考えているのではないでしょうか。生の舞台や演奏に飢えているファンもいるでしょうし、一方で病気にかかる危険を冒してまで劇場にいかなくてもいい、と考える方もいらっしゃるかもしれません。

武田:以前のようにノーリスクで演劇や音楽を見られるという状況ではなくなってしまいましたからね。一方で 音楽や演劇が危機に瀕している今だから、芸術にお金を使いたいという方もいらっしゃるかもしれません。

髙萩氏:そうですね。生の音楽や演劇が今まで以上に貴重品となり、大切にしたいと考える方もいらっしゃるでしょうし、今だからこそ、生の公演を見たいと思う方もいらっしゃるでしょう。私自身、今この状況でホールでオーケストラの交響曲を聴いたら、ものすごく感動するんじゃないかなと思っています。

髙萩氏:そうですね。生の音楽や演劇が今まで以上に貴重品となり、大切にしたいと考える方もいらっしゃるでしょうし、今だからこそ、生の公演を見たいと思う方もいらっしゃるでしょう。私自身、今この状況でホールでオーケストラの交響曲を聴いたら、ものすごく感動するんじゃないかなと思っています。

武田:ホールでオーケストラの演奏を聴いたら、今はそれだけで泣けそうな気がしますね。

髙萩氏:たぶん泣いてしまうと思います。

東京芸術劇場30周年に向けて

武田:最後に東京芸術劇場の創立30周年についておきかせください。

髙萩氏:おかげさまで10月30日で30周年を迎えます。東京芸術劇場30周年記念公演として『野田版 真夏の夜の夢』という演劇公演とシアターオペラ「モーツァルト/歌劇『フィガロの結婚』〜庭師は見た!〜」を行いますので、ぜひご覧いただきたいと思います。

東京芸術劇場30周年記念公演
「野田版 真夏の夜の夢」

東京芸術劇場30周年記念公演 東京芸術劇場シアターオペラvol.14
モーツァルト/歌劇『フィガロの結婚』〜庭師は見た!〜(再演)
外部サイト

武田:30周年を迎えての感慨などはありますか。

髙萩氏:今はコロナの真っ最中でそれどころではないのですが、それでもよくぞ30年間やってきたな、とは思います。途中で大規模改修を行ったのは大きいと思いますし、芸術監督として野田秀樹を迎えたことの効果も大きかったと思います。でもなにより、30年前と今とで大きく変わったのは「池袋」という街自体ですね。逆に東京芸術劇場が池袋の街の変化に寄与していると言っていただける方もいて、それも嬉しく思います。

東京芸術劇場
東京芸術劇場

武田:今後東京芸術劇場としてこんなことをしていきたい、ということがあったらお聞かせください。

髙萩氏:東京芸術劇場の最大の特長は、大きなターミナル駅の駅前にあることです。渋谷や新宿でこんな駅前に劇場があるって考えられないですよね。でも池袋にはあるわけです。この財産をどう活かすか。私はやはり劇場は、普通の人が気軽に出入りできるところになるべきだと思っています。
ですから今後は今まで以上にたくさん劇場ツアーなどを行って、劇場の中で作品が作られているところや、若手の育成をしているところを多くの方に見ていただいて、東京芸術劇場が常に芸術作品づくりに、そして舞台芸術の人材育成にも貢献しているということを見ていただきたいと思いますし、ひいては日本の公共劇場が広く市民みなさんのために作られているということを、わかっていただきたいと思います。

さらに言えば、東京芸術劇場はいろんな人が集まってくる駅前のポピュラーな場所に立地しているわけですから、劇場としてひとつの方向に特化していくよりは、より多くの方に楽しんでいただける劇場にしたいと思いますし、同時にこの劇場を通じて海外につながっていく、アートにつながっていく、そして演劇やエンターテイメントの面白さにつながっていくという、さまざまな入り口になるといいと思います。館内にはパブリックアートもたくさんありますので、池袋に来たら、ついでにちょっと立ち寄る場所にしていただければと思っています。

さらに言えば、東京芸術劇場はいろんな人が集まってくる駅前のポピュラーな場所に立地しているわけですから、劇場としてひとつの方向に特化していくよりは、より多くの方に楽しんでいただける劇場にしたいと思いますし、同時にこの劇場を通じて海外につながっていく、アートにつながっていく、そして演劇やエンターテイメントの面白さにつながっていくという、さまざまな入り口になるといいと思います。館内にはパブリックアートもたくさんありますので、池袋に来たら、ついでにちょっと立ち寄る場所にしていただければと思っています。

武田:本日はご多忙中にお時間いただき、ありがとうございました。

本日はご多忙中にお時間いただき、ありがとうございました。

<対談を終えて>

今年1月、新年のご挨拶に東京劇術劇場にお伺いした。池袋駅から劇場に向かうまでの景色は一変していた。劇場の真ん前に「グローバルリング」が完成し、劇場のエントランスに入る前から文化芸術の匂いが感じられて、胸が高鳴ったのを覚えている。
1月に高萩さんにお会いした時、今年は劇場の30周年と東京オリンピック・パラリンピック関連の行事で、例年より忙しくなりそうだと明るい表情で語っていただいた。

その後の、まさかの新型コロナ禍である。

この対談を行なった6月12日は、発出されていた東京アラートが前日に解除され、「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」におけるステップ3への移行が始まった日だ。
劇場再開に向けた準備でお忙しい中、対談のお時間を取っていただいたのだが、高萩さんをはじめとする劇場スタッフの皆さんのお忙しい雰囲気が、とても嬉しく感じられたのである。

ステップバイステップではあるが、エンターテイメントが今、再び動き出そうとしている。
興業的にキャパ制限の問題は大きいはずだが、それでも歯を食いしばって、一歩ずつ前に進もうとしている。満員の観客で客席が埋め尽くされるその日を、一日でも早くその日が来ることを、心から待ち望みたいと思う。

ヤマハサウンドシステム株式会社 代表取締役 武田 信次郎

コンサートレポート


対談後の2020年6月18日、東京芸術劇場のコンサートホールでの公演としては、3月2日以来となる公演が行われました。公演に際してどのような対策を施されたかについてフォトレポートをお送りします。

演目は「東京芸術劇場ナイトタイム・パイプオルガンコンサート」。東京都のロードマップに準拠し、観客は100名に限定されました。100名分のチケットはすぐに完売となりました。

演目は「東京芸術劇場ナイトタイム・パイプオルガンコンサート」。東京都のロードマップに準拠し、観客は100名に限定されました。100名分のチケットはすぐに完売となりました。

観客は会場入り口で消毒用アルコールによる手指の消毒とマスクの着用が義務づけられます。またサーモグラフィーによる体温測定も同時に行います。お客さまと直接対面する劇場スタッフはマスクとフェイスシールドを装着します。

観客は会場入り口で消毒用アルコールによる手指の消毒とマスクの着用が義務づけられます。またサーモグラフィーによる体温測定も同時に行います。お客さまと直接対面する劇場スタッフはマスクとフェイスシールドを装着します。

サーモグラフィーによる体温測定のスクリーニングで体温が37.5度以上と計測されたお客さまには、再度非接触型の体温計で検温を行います。再検温の結果も37.5度以上の場合は入場をお断りする体制をとっています。

サーモグラフィーによる体温測定のスクリーニングで体温が37.5度以上と計測されたお客さまには、再度非接触型の体温計で検温を行います。再検温の結果も37.5度以上の場合は入場をお断りする体制をとっています。

会場でのチケット受け取りや関係者の窓口には飛沫感染防止用のアクリルボードが設置されました。

会場でのチケット受け取りや関係者の窓口には飛沫感染防止用のアクリルボードが設置されました。

今回の公演ではクロークは閉鎖されました。

今回の公演ではクロークは閉鎖されました。

直接触をさけるため、入場の際のチケットはスタッフが目視で確認したあと、お客さまご自身でチケットをもぎって箱に入れていただく仕組みをとっています。

直接触をさけるため、入場の際のチケットはスタッフが目視で確認したあと、お客さまご自身でチケットをもぎって箱に入れていただく仕組みをとっています。

公演プログラムも手渡しではなく、お客さまがご自身で一部ずつとります。

公演プログラムも手渡しではなく、お客さまがご自身で一部ずつとります。

ロビーにあるバーラウンジも本公演ではクローズされていました。

ロビーにあるバーラウンジも本公演ではクローズされていました。

ロビーに設置された椅子もソーシャルディスタンスを確保するため、中央部は座らないようにと注意喚起を促すシールが貼られています。

ロビーに設置された椅子もソーシャルディスタンスを確保するため、中央部は座らないようにと注意喚起を促すシールが貼られています。

場内には「咳エチケット」を告知するポスターが掲示されています。

場内には「咳エチケット」を告知するポスターが掲示されています。

ソーシャルディスタンスを実現するため、劇場の座席はひとつずつ空席を挟んでの着席となります。今回の公演は東京都が策定した「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」に則り、お客さまは100名限定となりました。

ソーシャルディスタンスを実現するため、劇場の座席はひとつずつ空席を挟んでの着席となります。今回の公演は東京都が策定した「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」に則り、お客さまは100名限定となりました。

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