ヤマハサウンドシステム株式会社

栃木県総合文化センター 様 / 劇場 / 栃木県
Japan / Tochigi July. 2021

栃木県総合文化センター 様

1991年に開館した「栃木県総合文化センター」はコンサートなどが開催できるメインホール (1604席)、可動式ステージを採用したサブホール (最大505席)、さまざまな美術展示が可能なギャラリー、さらに会議室などを擁し、栃木県の文化・芸術振興施設の中核として重要な役割を果たしてきました。その「栃木県総合文化センター」は2018年から大規模改修工事を行い2020年4月1日に全館リニューアルオープン。ヤマハサウンドシステムは音響設備工事を担当しました。指定管理者として管理運営をおこなっている 公益財団法人とちぎ未来づくり財団 総合文化センター館長 池澤 真司氏、公益財団法人とちぎ未来づくり財団 総合文化センター利用サービス課 平 尚久氏、舞台管理業務を担当する 株式会社東日本舞台 舞台技術員 畠山文親氏、同 野岡栄人氏、同 樋口里美氏、同 渡邊結菜氏に音響システム改修の概要と使い勝手、さらにヤマハサウンドシステムの仕事ぶりについてお話をうかがいました。

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公益財団法人とちぎ未来づくり財団 総合文化センター館長 池澤 真司氏(前列中央)
公益財団法人とちぎ未来づくり財団 総合文化センター利用サービス課 平 尚久氏(前列右端)
株式会社東日本舞台 舞台技術員 畠山 文親氏(前列左端)
同 樋口 里美氏(中列左端)
同 野岡 栄人氏(中列中央)
同 渡邊 結菜氏(中列右端)
ヤマハサウンドシステム システム設計室 河野 峻也(後列右端)
同 営業部営業課 岩沢 直樹(後列中央)
同 営業部保守課 笹 慎治(後列左端)
同 技術部 高橋 淳(リモート参加)

栃木県の文化・芸術の中心的存在が30年振りに全館リニューアル

● 「栃木県総合文化センター」についてご紹介ください。

池澤館長:
当館は1991年の10月8日にオープンしました。丁度バブル絶頂期に近い頃だったせいか、非常に贅沢な作りの施設で、設計が東京文化会館を手掛けられた前川建築設計事務所ということもあり、随所に東京文化会館をモチーフとした部分があるように思います。2021年でちょうど開館30年を経ましたが、良い建材を使っていますので、あまり壊れたり汚れたりすることなく、ここまでこられました。

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公益財団法人とちぎ未来づくり財団 総合文化センター館長 池澤 真司氏

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栃木県総合文化センター外観

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栃木県総合文化センターサブホールロビー

● まさに栃木県の文化の中心的な役割を果たしてきた施設ですね。

池澤館長:
はい。当館は駐車場を持たずに公共交通機関をご利用いただく前提の都市型の劇場ですので、メインホール、サブホール、ギャラリー、会議室、練習室などの施設が潤沢に用意されており、多くの県民にご利用いただいてきました。

● コロナ禍以前は稼働率も高かったのでしょうか。

池澤館長:
そうですね。コロナ以前は、ホールは1年前の月の初日の抽選会で、土日などはすぐに埋まってしまう状態でした。またギャラリーも人気が高く、抽選で取り合いになるくらいです。ここは県民開放型のギャラリーで希望すればどなたでも展示できます。県内でこれだけの平米数のギャラリーはほかにありませんし、回遊式で使い勝手もフレキシブルなので、さまざまな展覧会に対応できます。

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「メインホール」(1604席)

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「サブホール」(最大505席)

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「第4ギャラリー」

メインホール、サブホールともにヤマハのデジタルミキシングシステム「RIVAGE PM7」、HYFAXのマトリクスコントローラー「LDM1」、データロガーシステム「DL3 system」を導入

● 最初にホールの改修についてお話しをうかがいます。どんな趣旨で行われたのですか。

池澤館長:
音響、照明、舞台機構の更新です。改修は10年先、20年先を見据えた話になりますが、音響設備・映像設備について「将来的にアナログミキサーはまだあるのか。それまでの補修ができるのか。」を考えるとなかなか厳しいと思います。それで全面的にデジタル化を図りました。

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メインホール

● 開館以来、音響機器の更新はなかったのですか。

畠山氏:
ミキサーだけは開館して5年後に入れ替えましたが、パワーアンプやスピーカーは開館時の30年前のものを使っていました。今やプロセッサー、ラインアレイの時代ですから、2世代前のものを使っている状況でしたね。

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株式会社東日本舞台 舞台技術員 畠山 文親氏

● 改修前はオールアナログの環境だったわけですね。

畠山氏:
はい。ほぼアナログ最後期のシステムでした。今回の改修でそれをフルデジタル化したのが一番大きかったです。ヤマハサウンドシステムさんをはじめ工事関係の方に相談してインフラはDanteの96kHz伝送でいこうということで機材を選定していきました。

● デジタルに切り換えたのはどうしてですか。

池澤館長:
行政の立場で言うと、これだけのお金を使って改修をして5年後10年後にすぐまた改修、という流れには当然なりません。では20年後にアナログ機器はあるのかというとなかなか難しいですし、保守部品の供給も怪しい。そんな先行きを考えたとき、ここでやるべきだと判断してデジタルに移行しました。

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メインホールの音響調整室 ミキサーにはヤマハ「RIVAGE PM7」が導入されている

● ミキサーにはヤマハ「RIVAGE PM7」が導入されました。

畠山氏:
原設計では別のミキサーでしたが、改修が決まった頃に新製品として「RIVAGE PM7」が発売されたので、設計事務所さんとヤマハサウンドシステムさんに無理を言って、変更させてもらいました。

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アンプやスピーカーの挙動を監視するデータロガーシステムHYFAX「DL3 System」

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マトリクスコントローラーHYFAX「LDM1」

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舞台左右の端の壁面内に設置されたラインアレイ構成のスピーカー

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移動用のラインアレイスピーカー

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メインホールのアンプ室

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データロガースレーブHYFAX「DL3SA」がアンプ出力とスピーカーの挙動を監視

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舞台下手

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舞台袖、舞台奥など各所にコネクター盤が用意されている

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サブホール

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サブホールにも移動用スピーカーシステムを用意

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サブホールの音響調整室

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サブホールにもヤマハ「RIVAGE PM7」、HYFAX「DL3 System」、「LDM1」が設置された

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サブホール調整室の音響機材架

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サブホール調整室のパワーアンプ架に設置されたデータロガースレーブHYFAX「DL3SA」

畠山氏:
改修前はホールも会議室と同様に動画・映像のインフラに問題がありました。当館は学会などの利用も多いのですが、学会では映像は必須です。そこで今までのアナログの映像回線をデジタル化し、パソコンのHDMI端子を使えるようにしたり、プロユース向けにSDIに対応するインフラを準備しました。

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ステージ脇に用意されたカメラ

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ステージ上の状況を監視するカメラ

デジタル化により音質の向上と操作性の効率化を実現

● 音響システムがデジタル化しましたが、実際の音や使い勝手はいかがでしょうか。

樋口氏:
設備が全て新しくなったということで、使い勝手はこれから使い込んで慣れていく必要はありますが、まずは安心して使えるという精神的な余裕が生まれました。以前のシステムは、最後のほうはかなり老朽化が進み、いつ音が出なくなっても不思議ではなかったので。もちろん音質も非常に良くなったと思います。舞台スタッフからも、だいぶ音が変わったねと言われます。

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株式会社東日本舞台 舞台技術員 樋口 里美氏

● 野岡さんはどんな印象ですか。

野岡氏:
私はデジタルに変わったことで、かなり衝撃を受けました。アナログ時代に入ってきた人間なので、最初はデジタル機器の操作に抵抗感がありました。でもいざ触ってみると、今までなんで敬遠したのかなって思うぐらい便利で、目から鱗じゃないですけど、世界が広がりました。音も良くなったし、手間が圧倒的に少なくなりました。

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株式会社東日本舞台 舞台技術員 野岡 栄人氏

● 渡邊さんはいかがですか。

渡邊氏:
私は改修前を知らないので、以前の機器は知らないのですが、今のデジタル卓にはデフォルトの設定を作ってもらってあるので、催し物がある時にそこからはじめられるのが便利です。まだ知らない部分がたくさんあるので、日々先輩にいろいろ教えていただきながら、うまく使いこなせるようなりたいと思います。

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株式会社東日本舞台 舞台技術員 渡邊 結菜氏

● デフォルト設定とは、「RIVAGE PM7」のシーンメモリーを活用しているということですか。

樋口氏:
はい。みんな共通で使うデフォルトメモリーを「RIVAGE PM7」に一つ作ってあって、それ以外で各自それぞれが操作しやすいように組んだシーンを各自の名前で保存しています。またピアノの発表会など、頻度が高い催し物に関しては種別的に同じデータで引き継いで行けるよう残しています。こうした施設ではとても便利だと思います。

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音声・映像ともに充実した設備を備えた会議室

● 会議室の改修も行われましたが、会議室はどんな用途で使われているのですか。

平氏:
当館は市街地にあるので幅広い方々にお使いいただいております。たとえば会社の会議や、地元の集まり、また県庁がすぐ目の前にありますので、県庁関連の会議などでもご使用いただいています。

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公益財団法人 とちぎ未来づくり財団 総合文化センター利用サービス課 平 尚久氏

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会議室

● 会議室は設備がとても充実していますね。

池澤館長:
今般は映像やプレゼンテーションソフト「PowerPoint」などを映しながら説明することが当たり前になりましたので、音響設備はもちろんですが、プロジェクターを備えており部屋の調光も行えます。音響設備は今回の工事でお願いしてデジタル化を行いました。

● 会議室の音響システムはマトリクスプロセッサーをiPadでコントロールするデジタルシステムになっています。

池澤館長:
ホールと同様に次の大きな改修は10年先、20年先になることを見すえ、会議室もデジタル化を図りました。

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会議室の音響ラック

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マトリクスプロセッサーヤマハ「MTX3」を採用し、iPadのアプリからタッチパネルでリモート操作を行う

平氏:
今まで音響ラックに組み込まれたミキサーを直接触って操作していたところを、iPadからワイヤレスでリモート操作ができるようになりました。主催の方から非常に使いやすいというお褒めの言葉をいただきました。

池澤館長:
アナログ機器をよく知っている人は戸惑うかもしれませんが、デジタルしか知らない若者はもちろん、今は一般の方もスマホ操作に慣れていますから、タッチパネルでの操作のほうが便利に使えるのではないでしょうか。またデジタルであれば将来的にいろいろ機能を追加できるメリットもあります。

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会議室の正面の壁面にスピーカーを設置 

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天井にはシーリングスピーカーが設置されている

● ワイヤレスマイクには漏洩が少ない赤外線のものを採用されていますね。

池澤館長:
赤外線ワイヤレスを採用したのは漏洩の回避に加えて、800MHz帯ワイヤレスシステムなどですと隣のビルの音声を拾うことがありますし、会議中にトラック電波などが混信することもありました。赤外線ワイヤレスでその心配がなくなりました。

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会議室天井に設置された赤外線ワイヤレス受信装置

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赤外線ワイヤレスマイクシステム

次の10年、20年を見据えながら
より綿密なヤマハサウンドシステムとの関係構築を

● 今回の改修にあたり、ヤマハサウンドシステムの働きぶりはいかがだったでしょうか。

池澤館長:
全国の劇場の音響設備の施工例をみるとやはりヤマハさんが多いんですね。たとえば新製品を作らなくなったメーカーさんは消耗部品の調達やメンテナンスは大丈夫だろうか?と思いますし、新製品がなければ研究もしない状況になりますが、その点ヤマハさんは施工事例が多いですし、メーカーとしても常に新製品を出し続けているので信頼が置けます。

畠山氏:
現場としても、私たちは劇場にいますので最先端の動向、技術的なトレンドからはやや遅れている部分があります。今回の改修に際しても、工事を進めていく中で、ヤマハサウンドシステムさんに今のトレンドを教えていただきながら、その中からDanteの96kHzはどうかという提案があり、さらにミキサーの「RIVAGE PM7」などが候補に挙がってきました。ただ、どうしても我々ならではの使い方、施設ならではの特徴もありますので、そのあたりは相談しつつ、すり合わせを行いつつ設計していただきました。

● 実際の施工ではいかがでしたか。

畠山氏:
施工では大変ご苦労をかけたと思っています。というのも事前調査はしましたが実際に施工の段階になったら壁の中に管があったり、モルタルが詰まっているところもあったりしました。特に高橋さんにはかなり無理を言いました。大変よくやっていただいたと思っています。

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● ここからはヤマハサウンドシステムのスタッフにもうかがいます。いま畠山さんのお話に出た高橋さん、「栃木県総合文化センター」の改修の仕事はどうでしたか。

高橋:
私は今、大阪からリモートで参加しています。お話を聞いて思い出すのは、やっぱりみなさんのお人柄がありがたく、「栃木県総合文化センター」のお仕事はとても楽しくやらせてもらったということです。そして宇都宮の餃子がとても恋しいです(笑)。作業内容としても光回線のトランクなどはほかの現場ではないぐらいいろいろな箇所にありますし、映像で使うであろう一部の回線は、1Gではなく10G対応OM3光ファイバケーブルにするなど将来的なことを考えたものになっています。

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ヤマハサウンドシステム技術部 高橋 淳(リモート参加)

● 河野さんは栃木が地元ですよね。「栃木県総合文化センター」にはやはり思い入れがあったのですか。

河野:
私はここより少し南にある栃木県小山市の出身で、私自身高校の合唱コンクールでこのホールを3年間使わせてもらいました。ですからやはり思い入れが強く、友達や親戚に自慢できるような音響システムをぜひ組みたいという思いで取り組ませていただきました。私としても大変ではありましたが、楽しく仕事をさせていただきました。

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ヤマハサウンドシステム システム設計室 河野 峻也

● 今後「栃木県総合文化センター」の保守を担当する笹さんはいかがですか。

笹:
工事に関わった弊社スタッフが、劇場の方々とこのように素晴らしい関係を構築しているので、その信頼関係をしっかりと引き継いでいきたいですね。今後、修繕計画等々も含めてお話をしつつ、これから保守としても同様に信頼関係を築いていきたいなと思っています。

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ヤマハサウンドシステム 営業部保守課 笹 慎治

● 営業部の岩沢さんはいかがでしょうか。

岩沢:
今回の改修工事でデジタル化したということで、デジタルのメリットを最大限に活かせるようにしていければと思っています。そのメリットとはソフトウェアのアップデートで、例えば卓の機能が増えていったり、会議室であればタッチパネルのデザインを使いやすく変えたりということが行えます。ただ一方でデジタル機器はひとつの不具合をきっかけに大きなトラブルになることもありますので、そこは劇場の方々と並走しながら、次の10年20年先まで安心して使っていただけるように努力いたします。

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ヤマハサウンドシステム 営業部営業課 岩沢 直樹

● 最後に池澤館長、一言お願いします。

池澤館長:
今岩沢さんがおっしゃったように、デジタルはメリットも大きいですが、アナログ機器のような予兆なしに、突然動かなくなるというトラブルがあり得ます。そのあたりは私たち管理側とヤマハサウンドシステムさんとが深いお付き合いをする中で、当館の状況を常に把握しながら保守をしていただかないとクリアできない点だろうと思っています。
今回の大規模改修ではヤマハサウンドシステムさんのお力もあり、概ねみんなが納得できる設備改修ができました。これは非常にありがたいことだと思います。そして我々は先の10年、20年の話をまたはじめるわけですが、ここからも長いお付き合いになりますので、これからもよろしくお願いいたします。

栃木県総合文化センター 様

● 本日はご多忙の中、ありがとうございました。

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