緊急特別企画 #2 実施レポート
音響調整・測定サポート Vol.1
「緊急特別企画 #2 実施レポート 音響調整・測定サポート」として、当社施工中のホール常設舞台音響設備の音響調整・測定サポートいただきました株式会社フリーク 松村 契 氏にお話をうかがいました。
● 緊急特別企画に応募いただきました経緯をお教えください。
松村氏:
そもそもスピーカーの調整が好きなんです(笑)。以前から劇場やホールの常設設備の音響調整に興味があり、仮設PAとは違うだろうと思っていました。この企画をみて、常設設備の音響調整を実体験して音響調整の技術を得るチャンスであると思い応募しました。
● ホールの常設音響設備の音響調整は初めての経験とのことでしたが、実際に行って感じたことをお聞かせください。
松村氏:
音響調整・測定測定ツール「Smaart」によるデータでの調整が作業時間の半分から6割程度なんだと思っていたのですが、聴覚での調整、判断に多くの時間を使っていたのが意外でしたね。
特にアナウンス音源を使った聴覚での調整と明瞭性の確認を念入りにしていたことが印象的でした。やはり固定設備でも聴覚での確認が重要だと感じました。
ただ、聴覚での調整は調整者の主観やその時々の心理による作用が大きくなるので慎重さも大切ですね。
● 音響調整同様に初めて音響測定に携わった感想もお聞かせください。
松村氏:
伝送周波数特性もさることながら、定常状態音圧レベル分布の測定は膨大な数の測定ポイントがあるのでハンディ型の測定器が便利ですね。
定常状態音圧レベル分布の測定に使用する音が4kHzのバンドパスノイズだった点が興味深かったです。
● 固定設備と仮設PAで音響調整の違いに関して感じたこと、思ったことをお聞かせください。
松村氏:
仮設PAの音響調整は時間の制約からせいぜい30分から1時間なので「Smaart」を使った測定ポイントがスピーカー軸上の2~3点に限られてしまうんです。そのあと客席内を歩きまわって各所の音質をチェックするのですが、調整としては妥協せざるをえない、という点は否めません。今回のような固定設備では客席各所を細かく追える点がメリットだと思います。仮設PA現場ではミックスエンジニアの好みに合わせた調整を仕上げますが、固定設備では施工時に施工する会社で最善を尽くす調整がされるのですね。
デフォルトとなるフラットな音響調整をベースにして、デジタルプロセッサーを用いてスピーチや音楽ものなどイベントに合ったパターンを複数つくる能力が固定設備の調整者には求められているのだと感じました。
当社担当より
サポートをいただき、音響調整、音響測定ともにスムーズにできました。
やはり日常的にライブ会場やイベント会場でお仕事をされていることもあって、調整に使用する仮設マイクケーブルの取り回しや、機材の設置などが安全にとても配慮され、現場がとてもきれいでした。現場がきれいだとストレスなく作業ができます。作業環境の整理整頓が大事だと改めて感じました。
調整測定についても、低域の測定(アベレージ時間の調整)や低域と高域のバランスなど的確なアドバイスをいただきました。ありがとうございました。
株式会社フリーク
〒612-8497 京都市伏見区下鳥羽北円面田町90
電話番号:075-634-8770
MAIL:info@g-freek.com
Copyright © 2024 Yamaha Sound Systems Inc. All Rights Reserved.