ヤマハサウンドシステム株式会社

スポーツ施設のスピーカー配置

ひとことでスポーツ施設と言っても、体育館からプロスポーツのイベントが行わるアリーナやスタジアムまで規模はさまざまです。スポーツ施設の音響設備は、選手やイベント関係者および施設スタッフへの告知、来場者への案内、応援音楽の再生、コマーシャル音声の再生などに使われ、いろいろな場所にいる人たちへ情報を伝える役割を担います。この役割に大きく関わるのはスピーカーです。
ここでは、スポーツ施設に固定設置するスピーカーの配置方式の特長を紹介します。

スピーカーの配置方式

広い競技エリアと多くの観客席を持つスポーツ施設では、たくさんのスピーカーが必要です。歓声に負けない十分な音圧レベルや広い再生周波数帯域を得るには、大型スピーカーを採用したり、複数のスピーカーを組合せます。また、施設の規模、形状、屋根の条件などにより、施設ごとに適したスピーカー配置を検討します。
代表的なスピーカーの配置方式として、集中方式、分散方式、集中分散併用方式の3つがあります。

1) 集中方式
スピーカーを一か所にまとめて設置する方式です。会場のどこにいてもスピーカーが設置されている方向から音が聞こえます。しかし、スピーカーから遠くなるほど音が小さくなることや、反響が起こりやすくなる問題があります。

集中方式 1

集中方式 1

集中方式 2

集中方式 2

2) 分散方式
スピーカーを各所に分散して配置する方式です。スピーカーと観客席の距離が近く、一か所のスピーカーが受け持つエリアは狭くなるため、聞く場所による音圧レベルや音質の差が少なくなり、均一に観客席をカバーします。また、敷地外への音漏れも少なくすることができます。しかし、取り付け位置がわるいと、会場のある場所では前から、あるいは別の場所では後ろからといったように、場所によりいろいろな方向から聞こえてしまう可能性があります。

分散方式 1

分散方式 1

分散方式 2

分散方式 2

3) 集中分散併用方式
集中方式が持つ音の方向性と、分散方式が持つ音圧の差が少ないというメリットを併せ持った方式です。競技エリアに集中方式、観客席に分散方式を組合せることが多く、全てのエリアに対して均一な音圧レベルを確保しながら、音の方向性を保つことができます。集中方式のスピーカーよりも分散方式のスピーカーの音が早く到達してしまうので、遅延装置を設けて時間差の調整を行ないます。

集中分散併用方式 1

集中分散併用方式 1

集中分散併用方式 2

集中分散併用方式 2

表 スピーカー配置方式の比較

 
 

メリット

デメリット

集中方式 メリット

音の出ているところがわかる
スピーカーの設置箇所が減る

デメリット

均一な音圧レベルの確保が難しい
複数のスピーカーをまとめるため大きく重くなる
発する音が大きく反響も多くなりやすい
周辺への音漏れが多くなる

分散方式 メリット

均一な音圧レベルを確保しやすい
発する音が小さく反響を少なくできる
周辺への音漏れを小さくできる

デメリット

音の出ているところがわかりにくい
スピーカーの設置箇所が増える

集中分散方式 メリット

音の出ているところがわかる
均一な音圧を確保しやすい
周辺への音漏れを小さくできる

デメリット

遅延装置が必要
スピーカーの設置箇所が増える
複数のスピーカーをまとめるため大きく重くなる箇所がある

集中方式

メリット
音の出ているところがわかる
スピーカーの設置箇所が減る

デメリット
均一な音圧レベルの確保が難しい
複数のスピーカーをまとめるため大きく重くなる
発する音が大きく反響も多くなりやすい
周辺への音漏れが多くなる

分散方式

メリット
均一な音圧レベルを確保しやすい
発する音が小さく反響を少なくできる
周辺への音漏れを小さくできる

デメリット
音の出ているところがわかりにくい
スピーカーの設置箇所が増える

集中分散方式

メリット
音の出ているところがわかる
均一な音圧を確保しやすい
周辺への音漏れを小さくできる

デメリット
遅延装置が必要
スピーカーの設置箇所が増える
複数のスピーカーをまとめるため大きく重くなる箇所がある

まとめ

スポーツ施設に設置するスピーカーの配置方式と特長をご紹介しました。

屋外施設では屋根の有無や観客席の配置条件など、屋内施設では天井構造や内装条件などの建築の諸条件を考慮した適切な配置が必要です。また、プロスポーツが行われる施設では、大型映像との連携を加味した配置計画が望まれます。さらに、施設の外への音漏れに配慮することも大事なポイントです。

これらのことを含め、施設で行われる競技やイベントの種類を考慮して、スピーカーの配置方式と構成を検討していきます。

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