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お役立ち情報「TIPS」#40 Wi-Fiアクセスポイント いまさら聞けない!基礎知識編

スマートフォンやタブレット端末でメッセージのやりとりをしたり、動画を見たりと、ワイヤレスでのインターネット接続は当たり前になりましたね。その気軽なネットワーク接続を実現しているのがWi-Fiアクセスポイントです。
音響の分野でも、ミキサーをiPadなどのタブレット端末でリモートコントロールして、スピーカーからの音を聴きながら客席内やステージ上で音質や音量を調整する、なんてことも気軽にできるようになりました。実は、こうした使い方の裏側にWi-Fiアクセスポイントが使われています。今回は、そんなWi-Fiアクセスポイントの役割や無線LANルーターとの違いなど、基本的な知識と注意点を紹介します。

Wi-Fiアクセスポイントと無線LANルーターの違い

無線LANを用いる機器には、「Wi-Fiアクセスポイント」と「無線LANルーター」という製品がありますが、それぞれどのようなものを指しているのでしょうか。これらの製品はよく似ているようで、機能に大きな違いがあります。

1. Wi-Fiアクセスポイント

Wi-Fiアクセスポイントは、無線LANデバイス同士が通信するときや有線ネットワークに接続するときの中継点となる機器です。例えば家庭のネットワークでは、スマートフォンやタブレット端末などの無線通信をONU(Optical Network Unit、光回線終端装置)やモデムにつながる有線LAN側へ橋渡しする役目を担っています。ルーティング機能は持っていないので、無線側と有線側は同一のネットワークに属している必要があり、インターネットへ直接中継することはできません。

Wi-Fiアクセスポイント いまさら聞けない!基礎知識編

2. 無線LANルーター

ルーターは、異なるネットワーク間の通信を中継するための「ルーティング機能」を持っています。
家庭では主に家庭内のネットワーク(LAN)と、インターネットの間で通信の橋渡しを行う際に使われています。
そして、「無線LANルーター」という名称の場合は、前述のWi-Fiアクセスポイントに、このルーター機能が加わったものを指します。  
音響システムのネットワークにおいては、音声用のネットワークと機器制御用のネットワークをまたいで通信する際などに使用されます。

Wi-Fiアクセスポイント いまさら聞けない!基礎知識編

モード切り替えができる製品

現在市販されている機器には、先ほど紹介したWi-Fiアクセスポイントと無線LANルーターの動作を切り替えられる製品があります。モードを切り替えることで、1台の機器でさまざまな状況に対応できるという便利さがある一方、設定を誤ると、現場で通信トラブルを引き起こしてしまうこともあります。

1. ルーターモード

主にインターネットに接続する際に用いるモードで、通信をインターネットに橋渡しするための機能が有効になります。多くの機種では、「WAN」と書かれたコネクターに有線LANケーブルを接続します。
また、DHCPサーバーと呼ばれる、機器のIPアドレスを自動的に割り振る機能が有効になる機器も多く存在します。

2. アクセスポイントモード (ブリッジモード)

無線LANと有線LANの中継のみを行うモードです。
常設音響設備など、IPアドレスが厳密に管理された環境や、外部にDHCPサーバー(ネットワークコントローラー)が存在するシステムでは、このモードを使用して音響設備に接続をします。
製品によっては、設定を変更することでDHCPサーバーを別途有効にできるものもあります。

このほかにも、中継機モードやメッシュなどの方式もありますので、製品の取扱説明書をよく確認して使用してください。

ミキサーをリモートできるのはこんな仕組み

では、音響の現場ではどうでしょう。
音響現場では、タブレット端末からミキサーを操作し、スピーカーからの音を聴きながら客席内で音の調整を行う、という使い方をすることが多いと思います。

ヤマハのミキサーをコントロールするiPadアプリ「StageMix」を用いる場合、ミキサーと同一のネットワークにタブレット端末を接続することで、

・操作情報がタブレット端末から無線LANでアクセスポイントに到達する

・アクセスポイントは、受け取った操作情報を有線LAN側に中継する

・その情報が、同じネットワーク内の有線LANを経由してミキサーに届く

・ミキサーが操作情報を受け取り、パラメータを変更する

という流れでリモートコントロールが行われます。信号のメーター情報などは、逆の経路でミキサーからStageMixアプリへ送られ、タブレット端末に表示されます。

気をつけるポイント

 周波数帯域

Wi-Fiには主に 2.4GHz帯、5GHz帯といった周波数帯域があります(近年は6GHz帯に対応した製品も出てきています)。
周波数帯域によって電波の特徴が異なり、一般的には以下のような違いがあります。

周波数帯域 回り込みやすさ 透過性 通信量(速度) 混雑状況
2.4GHz帯
5GHz帯

2.4GHz帯は壁や障害物の影響を受けにくく安定しやすい一方、5GHz帯は速度が出やすく、周囲の混信が少ないという特徴があります。用途や設置環境に応じて使い分けることが大切です。

 アンテナの指向性

どの方向に対しても同じ強さの電波を放出する無指向性の機器もありますが、方向によって電波の強さが異なる、指向性を持った機器もあります。また、設定によって指向性を切り替えられる製品もあります。
壁面や天井への設置を前提とした機器では、そうした設置方法に合わせて電波の放射範囲が最適化されていることがあります。そのため、音響の現場でミキサーの後ろに置いただけでは、電波の範囲を効果的に使えないこともあります。

例えば、オフィスの天井などへの設置を想定して設計された製品では、天井の方向には電波を弱く放射し、床側に向かって電波を強く放出するものがあります。(ヤマハ「WLX222」指向性ありモードなど)

Wi-Fiアクセスポイント いまさら聞けない!基礎知識編
Wi-Fiアクセスポイント いまさら聞けない!基礎知識編
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ヤマハ「WLX222」指向性あり モードでの電波の指向性について

そのため、ミキサーのリモートコントロール用途で使用する場合、机の上に平置きすると、本来電波が届いてほしい客席やステージ方向の電波が弱くなってしまい、思うようにコントロールできない場合があります。

Wi-Fiアクセスポイント いまさら聞けない!基礎知識編

そのような場合は、

・なるべく高い位置に設置する

・指向性がある場合は、客席やステージに指向性が向くように設置する(縦置きなど) 

・無指向性モードを使用する(ヤマハ「WLX222」指向性なしモード)

といった対策を行うことで、より良好な受信環境を得ることができます。

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製品によっては、縦置きで使えるようにスタンド機能が付いているものがあります。

Wi-Fiアクセスポイント いまさら聞けない!基礎知識編

まとめ

いかがでしたでしょうか。普段から身近な存在になっているWi-Fiアクセスポイントについて、音響システムでより円滑に運用するためのポイントを紹介しました。
Wi-Fiアクセスポイントは、時代とともに高機能化・高性能化が進んでいます。その機能をうまく活用することで、トラブルを回避し安全な運用につなげていただければと思います。
このTipsが皆さまのオペレーションに少しでも役立てば幸いです。

iPadは、米国およびその他の国で登録されたApple Inc.の商標です。

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