スタジアムや競技場などで屋外にスピーカーを設置しているのを見たことがあると思います。雨に濡れたり、ジメジメした湿気が多いところにスピーカーを設置すると、実はけっこうキケンなんです。スピーカーは重くて硬そうな外見をしていますが、音が出る部分は「コーン紙」と呼ばれる紙で構成されているものが一般的です。紙は水に弱いですよね。さらにスピーカーにはケーブルを差し込む穴があり、そこから雨水が入り込んでしまうと、
・音に影響が出る
・最悪、音が出なくなって、壊してしまう
ことがあります。今回はそんな「スピーカーを水から守る方法」についてみていきましょう。
防水の規格は?スピーカーにできる対策はある?
屋外の施設では、案内のアナウンスや音楽を人々に届けるために、いろいろな場所にスピーカーが設置されています。こうしたスピーカーを屋外に設置するにあたり「基準」があるか、を調べてみました。
・IPコード
IP(Ingress Protection)コードは、IEC(国際電気標準会議)によって定められ、機器内部への塵(ちり)や水の侵入に対する保護等級を示したものです。IPコードは「IP67」のように2桁の数字で表され、1桁目の「6」が防塵性能、2桁目の「7」が防水性能を表します。
図の中にある2桁目の②が水に対する保護等級で、数字が大きくなるほど厳しい防水試験にクリアしていること、Xは「省略」や「規定しない」ということを示しています。
下はヤマハプロオーディオのスピーカーカタログに記載されているスピーカーのIPコード(IP保護等級)の記載例です。とてもわかりやすいので、ぜひ参考にしてください。
その他に、スマートフォンや腕時計、ワイヤレスイヤホンなど、身の回りにあるさまざまなものにIPコードが使われています。
スピーカーはどうやって守る? その1
スピーカーを屋外に設置するときにはIPコードの水に対する保護等級が高い製品を採用することが望まれます。先に示したスピーカーのIPコード(IP保護等級)の表を参考にすると、防水性能を5以上とするのがよいでしょう。さらに取り付ける場所や環境に応じていろいろと工夫する場合もあります。下の写真は、雨が直接かからないようにスピーカーを専用ボックスに納めた例です。
スピーカーに雨が直接かからないスピーカーの専用ボックスの例
このようにスピーカー全体を保護することで、雨水の侵入を少なくすることができます。しかし、箱の中の湿気が高くなってしまうと水がかかっているのと同じようなことになってしまうので、換気のために通気を良くする工夫が必要です。
スピーカーはどうやって守る? その2
こちらはスピーカーの上に庇(ひさし)を取り付けた例です。スピーカーに与える影響を少しでも減らし、長く使っていただけるよう工夫したものです。
スピーカー上部に庇(ひさし)を設置した例
また、スピーカーにスピーカーケーブルを接続しますが、この接続部分に注意が必要です。屋外スピーカーには、スピーカー内部からケーブルが直に出ていてにジョイント結線するものもありますが、コネクターに接続するものもあります。コネクター接続の場合、このコネクター部の保護が必要になるケースが多く、メーカーが示すIPコードは保護カバーが条件になっています。保護カバーがない状態ではスピーカーにとっては、コネクター部分に穴が開いているのと同じ状態です。スピーカーの仕様書や取扱説明書等を確認し、必要な保護をしましょう。
下の写真は、スピーカーのケーブル接続部分に保護カバーを取り付けて覆うことで雨水から守っている例です。
スピーカー背面のコネクター部の保護
おわりに
今回はスピーカーを水から守る方法についてご紹介しました。スピーカーには塵と水の侵入に対する保護等級としてIPコードが示されています。屋外に設置する場合には条件に適したものを使用しましょう。また、IPコードが高いスピーカーであっても、長く使ってもらえるような工夫も大事ですね。梅雨の時期でなくても突然大量の雨が降ってきたりするので、屋外のスピーカーは気づかないうちに腐食しているかもしれません・・・。適切な対策と点検を十分にしていきましょう!