機材も身体も大切に!重い機材の上手な運び方


音響さんって、重い機材やケーブルを運ぶことが多いですよね。
指を挟んだ、腰を痛めた、台車から落とした、なんて経験のある方も、実はけっこういらっしゃるのではないでしょうか…。
重い機材は間違った運び方をすると、機材も、自分も、他人も危険にさらしてしまいます。
今回は、当社オフィスのお引越しにともなって大量の備品機材を運んだ様子も交えながら(汗)、機材を運ぶときのポイントを示します。今一度、チェックしてみましょう。
機材を持ち上げる・運ぶときは
特に身体に負担がかかりやすいのが、ケースに入った音響機材やスピーカーなど、重いものを持ち上げて運ぶ動作です。
腰を痛めて、同時に機材を落として大惨事…なんてことにもなりかねません。
身体に負担のかかりにくい姿勢を意識することで、怪我や事故を予防できます。
低い位置に置いた機材を持ち上げるときは、腰を落としてしゃがみ、膝・脚の力で持ち上げます。膝を伸ばしたまま前屈姿勢で持ち上げるのは、腰への負担が大きくなるので好ましくありません。
持ち上げたら、背筋を伸ばし、物をできるだけ身体に近づけて持ちます。体から離して持ったり、前屈姿勢、中腰姿勢のような不自然な姿勢をとったりするのは腰や背中に負担がかかるため避けましょう。
厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」2r98520000034pjn_1.pdf (mhlw.go.jp)より
重量物には特に注意
大きなミキサーや、機材がマウントされたラックは大変重く危険です。
一人で持つには大変そうだなと感じたら、無理せず複数人で運びましょう。また背の高いラックは上の方を押したり引いたりすると倒れやすいので、下の方を支えるようにします。大きな機器は3人・4人など大人数で運ぶことを考えましょう。
大きなミキサーをケースから出して運ぶ様子
人が足りないときや忙しいとき、無理して重いものを運んでいませんか?
実は、人が一人で持ってよいとされる重さは、労働基準法や厚生労働省の通達に示されています。
| 年齢 | 断続的に行う作業 | 一定時間継続して行う作業 | ||
|---|---|---|---|---|
| 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
| ~16歳 | 15kg | 12kg | 10kg | 8kg |
| 16~18歳 | 30kg | 25kg | 20kg | 15kg |
| 18歳~ | 55kg* | 30kg | 体重の40%* | 20kg |
*…労働基準法による定めは無いが、厚生労働省の通達「職場における腰痛予防対策の推進について」で示されている値
本番のための大掛かりな仮設仕込みや、多くの機材を輸送車に積むような作業は、「一定時間継続して行う作業」に分類されます。ケーブルや金具をまとめた箱、パワーアンプなどの機材は一人で運ぶには重すぎる場合があるので注意です。 一般に女性の持ち上げ能力は、男性の60%くらいとされています。男性であっても、筋肉量や普段の運動量は人それぞれですので、無理をしない・させないように気をつけ合えるとよいですね。
台車をつかって運ぶ
台車やキャスター付きのケースを使うと、身体への負担をかなり軽減できます。ただ、便利だからといって積み上げすぎると、荷崩れなどの事故に繋がりかねません。
機材を台車に積むときは、台車の最大積載荷重を確認して、それを超えないようにします。重いものは下に、軽いものは上に積むことで、バランスがとれ、荷崩れを防ぐことができます。
重量に余裕がある場合でも、天高く積み上げるのはNG。バランスを崩して落下してしまう可能性があるうえ、視界が遮られ、人や物に衝突してしまう恐れもあります。長い距離や上り下りのある道を運ばなくてはならないときには、ラッシングベルトを巻くなどして転倒防止措置をするのがよいでしょう。
運ぶときは、なるべく障害物や段差・傾斜がないルートを通ります。床に敷設したケーブルを横切るときは、台車の前輪後輪をそれぞれ順番に少し持ち上げて越えるか、ケーブルを持ち上げてくぐると安全です。下りの傾斜では荷物が落ちないように、自分が荷物よりも傾斜の下側についてバックの状態で進みます。荷物が多ければ複数回に分けるか、2人以上で支えながらゆっくり進むと安心です。

下り坂を後ろ向きで進む様子
機材を輸送するときは
宅配便やトラックなどで機材を輸送するときは、破損を防ぐために緩衝材で優しく包みましょう。
機器と緩衝材の間に隙間がないように包みます。二重、三重と重ねて包むほど、衝撃に強くなります。
コンピューターのような精密機器には、静電気が起きにくい素材でできた緩衝材もあります。運送会社などから購入できるコンピューター専用の梱包箱をつかうとより安心です。
箱やケースに入れたら、中でゴロゴロ動かないように固定します。隙間にも緩衝材をしっかりつめて、衝撃に備えましょう。
よく移動する音響機器は専用ケースに入っているものもあるでしょう。衝撃に備えた作りになっていれば、そのまま輸送することもできますが、留め具の部分は段ボールなどで保護すると、輸送中の破損や他の荷物を傷つけることを予防できます。


留め具が外れないように保護する様子
まとめ
持ち上げたり転がしたり、何かと重労働の多い音響さん。
機材運びのポイントを頭の片隅において、機材にも身体にも負担の少ない運び方を心がけましょう。
ご安全に!!