ヤマハサウンドシステム株式会社

ジメジメは機器の大敵!湿気の影響と防ぎかた

天気予報を見ても雨、雨、雨…。ひたすら雨が続く季節になってきましたね。
風情がある季節でもありますが、こうも毎日じめじめと湿度が高いと、すっきりせず過ごしづらいという人もいるのではないでしょうか。

設備や音響機器にとっても、湿度が高いのは快適とはいえません。
湿気が音響設備に与える影響には、どのようなものがあるか、また、その影響を軽減させるにはどうすればいいのか、をご紹介します。

湿気が多いとどうなる?

音響設備に限った話ではありませんが、湿気の多い環境に長時間さらされると、多くの機器は、

① 錆びる
② カビが生える
③ ボロボロになる(朽ちる)
④ ベタベタになる

といった状態になります。

① 錆びる

湿度の高い空気中に金属がさらされると、金属が空気中の湿気と酸素に反応して、酸化が進行し、錆となって現れます。機器の表面のほかに、機器内部の回路や接続コネクターなどメッキが劣化した金属接点部分が酸化する場合もあります。

② カビが生える

一般的にカビ菌(真菌)は高温多湿を好みます。湿度60%以上の環境で繁殖し、湿度が80%を越えるとより繁殖が活発になります。空気中の湿気のみならず、気温差などで結露が発生した際も、水分が付着することとなりますので、カビ発生の要因となります。

③ ボロボロになる(朽ちる)

樹脂やゴムなどが湿度の高い環境に長時間さらされると、空気中の水分と反応してボロボロになってしまう事があります。(これを加水分解と呼びます。)自転車のハンドル、お気に入りのスニーカーの靴底が気づいたらボロボロになっていた、という経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。音響機器では、ヘッドホンのイヤーパッドや、機器の吸気口にある防塵フィルターのスポンジ、スピーカー前面のグリルスポンジ、スピーカーエッジなどがボロボロになることがあります。

④ ベタベタになる

空気中の水分と反応し、加水分解してベタベタになる素材もあります。ウレタン系の素材や塗装が使われているスイッチやマイクロホンのグリップなどがベタベタになりやすいです。 また、ベタベタではないですが、コンデンサーマイクやリボンマイクなどは湿気によって音質が変化してしまいます。

このように、湿気は機器にさまざまな悪影響を及ぼし、場合によっては音質の変化や機器の故障の原因となり、寿命を縮めてしまいます。

ボロボロのヘッドホン

ボロボロのヘッドホン

ベタベタのマイク

ベタベタのマイク

湿気の影響を減らすためには

湿気が多い環境では機器にさまざまな影響を与えます。湿気の影響を減らすため、湿気を適切にコントロールし、機器にとって快適な環境を整えましょう。
湿気のコントロールには、以下のような方法があります。

① 通気性がよく、乾いたところを機器の保管場所にする

機器の保管場所は湿度や湿気が溜まりやすいところを避け、通気性のよく、乾いたところを選びましょう。地下や水場の近くなどは湿気が溜まりやすいですよね。
ピアノ庫にコンデンサーマイクなどのデリケートな機器をピアノと一緒に保管する方法があります。ピアノ庫は、温度や湿度の変化に非常に影響されやすいピアノを保管するため、適切な環境に維持管理されています。このピアノ庫は機器にとっても快適な環境と言えます。

② 保管場所の空気を循環させる

サーキュレーターを設置したりするなどして、空気の流れを発生させ、特定の場所に湿気がたまり続けないようにしましょう。

③ 除湿を行う

機器の保管場所に除湿機を設置し、強制的に湿度を下げる方法があります。また、機器をデシケーター(防湿庫)で保管する方法もあります。コンデンサーマイクなど特にデリケートな機器だけはデシケーターに入れて保管する、という例が多いです。機器の保管棚やマイクケースにシリカゲルのような乾燥剤を置くことも効果があります。シリカゲルのような乾燥剤は消耗品ですので定期的に交換をすることをおすすめします。

乾燥剤

乾燥剤

まとめ

今回、湿気が音響機器に及ぼす影響と、湿気による影響を減らす方法をご紹介しました。
多湿の気候である日本で暮らしていく限り、湿度、湿気から逃れることはできません…。
湿気との上手に付き合い、この記事を参考に、より長く機器や設備を使っていただければ幸いです!

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