ヤマハサウンドシステム株式会社

音響設備でのPCの活用【前編】もっと便利に!

音響機器はデジタル化が進み、PCやiPadなどのタブレット端末からリモート操作できることが当たり前になってきました。さまざまなソフトウェアやアプリケーションを必要に応じてインストールできるPCやタブレット端末は、音響設備の可能性を広げるツールと言えます。
今回は、知れば使ってみたくなる、音響設備でのPCやタブレット端末の活躍っぷりと、困ったときのトラブルシューティングについて、前・後編2回にわたってお伝えします!

PCで音響設備をもっと便利に!

音響設備の中で、PCやタブレット端末は多くの役割を担っています。その一端をご紹介しましょう。

■ デジタルミキサー × タブレット端末

ミキサーは通常、音響調整室やPAブースなどに設置されていますが、無線LAN機能を搭載したタブレット端末をミキサーとつなげば、離れた位置からリモート操作ができます。
客席や舞台上を歩き回りながらスピーカーが鳴っているかチェックしたり、エリアごとの音の聞こえ方を手元で操作しながら確認・調整したりできます。本番中に客席エリアで音を聴きながらミキサー操作することもできるので、場所や時間にとらわれずによりよい音を追求することができます。
ミキサーをリモート操作するアプリケーションは、機種ごとにメーカーからリリースされています。ホールや劇場で使われるデジタルミキサーの多くがリモート操作に対応しています。

音響設備でのPCの活用【前編】

■ デジタルミキサー × PC

PCを使って操作できるミキサーも多くあります。
下の写真はヤマハのミキサーをPCで操作する様子です。PCでミキサーのほぼ全てのパラメーターをリモート操作できるほか、オフラインでデータを編集することもできます。入出力端子などの名称やルーティングなどを設定したデータを事前にPCで作り込んでおけば、本番当日はこのデータをミキサーに流し込むだけでおおよその設定ができます。
本番終了後、このデータをPCに保存しておけば、次回同じイベントを行う際にもすぐにミキサーの設定を呼び出すことができます。頻度は少ないけれど毎年決まって開催するような、例えば成人式や企業イベントの際などに役立ちます。また、日々使うデータをバックアップデータとして保存しておくことで、ミキサーの故障などで入れ替えが必要になったときにも、簡単に復旧できます。当社では、設定用にPCがある場合、工事完了時の設定データをPCに保存してお客様にお渡ししています。
【ご注意】施設にある音響設備のミキサーにデータを流し込みたい場合は、事前に施設の音響担当の方と打合せをしてください。

音響設備でのPCの活用【前編】

また、DAW(Digital Audio Workstation)ソフトウェアを使えば、さまざまなフォーマットの音源を手軽に録音・再生・編集できます。PCの中にある曲をBGMとして流したり、本番の演奏を録音したりすることも、少ない機材で簡単にできます。
DAWソフトウェアの中には、効果音などのポン出し再生に適したものや、レコーディングに特化したものなど、それぞれ用途に適したものがあります。

音響設備でのPCの活用【前編】

■ デジタルプロセッサー × PC・タブレット端末

スピーカーのチューニングや音声のルーティングなどに使われるプロセッサーのほとんどは、PCを使ってセットアップを行います。実際、プロセッサーのフロントパネルにはボタンが数個あるだけですが、専用のソフトウェアをインストールしたPCをつなげることで、詳細な設定や確認ができるようになっています。
プロセッサーの設定データもミキサー同様、PC上に保存できます。バックアップ用に保管しておくといざという時の備えになります。

音響設備でのPCの活用【前編】

また、ヤマハ「Provisionaire」のように、運用中に必要なパラメーターだけを選んで、操作画面をカスタマイズできるソフトウェアもあります。デザインや配置の自由度が高く、1画面で多くの情報を確認することや、逆にかなりシンプルに作ることもできるので、誤操作を防ぐことにも役立ちます。

音響設備でのPCの活用【前編】

■ 音響調整 × PC

スピーカーのチューニングや測定をするときには、PCのソフトウェアを使って音を可視化します。スピーカーの再生音をマイクで収音して周波数特性などを表示して、これを見ながらプロセッサー内のイコライザーなどのパラメーターを調整します。

音響設備でのPCの活用【前編】

PCがずらりと並ぶことも。

■ ネットワークオーディオ × PC → ネットワークオーディオをPCで設定する

アナログの音響システムでは、1チャンネルごとに1本のケーブルを配線して音声のパッチを行いますが、Danteなどのネットワークオーディオを使って音響システムが組まれている場合は、多チャンネルを1本のケーブルで伝送します。音声のパッチや設定変更の作業はPC上で行うことができ、音響システム全体がネットワークを介してつながっていると、離れた場所にいてもパッチ替えなどの操作ができるメリットがあります。
また、もっとPCを活用すれば、ネットワークにつながっている機器それぞれにアクセスして、状態を調べることもできます。たとえば機器やネットワークが正常に起動してつながっているか確認したり、何かエラーがあった場合は通信の履歴やログを確認したりすることが可能です。トラブルを未然に防ぎ、もし何かあってもすぐに原因を調べられるようにしておくことで、より安心して音に集中することができます。

音響設備でのPCの活用【前編】

音響ネットワークの例。遠くの機器ともネットワークを介してつながっている。

まとめ

必要に応じてさまざまなアプリケーションをインストールできるPCは、音響設備をもっと便利にしてくれるツールであり、もはや音響設備にはなくてはならない存在とも言えます。ただ、色々なことができるがゆえに、困ったときには知識が必要になることもしばしば…。
次回は後編、困ったときにきっと助けになる、覚えておきたいトラブルシューティングについてお届けします!

後編もぜひチェックしてみてください!

iPadは、米国およびその他の国で登録されたApple Inc.の商標です。

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