ヤマハサウンドシステム株式会社

ホール、劇場の「開演ブザー」ってどんなもの?

コンサートやお芝居は開演を告げる開演ブザー(以下、ブザー)とともに始まります。それはお客さまにとって「いよいよショーが始まる!」という期待感が最高潮になる瞬間であり、演者やスタッフにとっては「さあ、本番だ!」と気合いが入る瞬間でもあります。その「ブザー」が、どんな仕組みで、どうやって鳴らされているのか、ご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はホールや劇場の「ブザー」の仕組みやこだわりについてご紹介します。

開演ブザーはホール、劇場の声

催し物が始まる前のブザーは、お客さまにとってそのホール、劇場で最初に耳にする音です。また、ブザーをきっかけに、お客さまだけでなく、演者、スタッフに至る全ての人が本番への意識を高め、動き出します。ブザーから演目は始まっていると言えるでしょう。舞台の緞帳(幕)がホール、劇場の顔だとすれば、ブザーはホール、劇場の声とも言える大切な存在なのです。 

ブザーは客席はもちろん、お客さまが行き交うロビーやホワイエ、そして演者やスタッフがいる舞台袖、調整室、楽屋でも聞こえるようにしています。また、ブザーが鳴らなければ催し物は始まりませんので、確実に鳴るように細心の注意が払われています。

開演ブザーの仕組み

もともとブザーは、100Vブザーが主流でした。100Vブザーは「ブー」という電気的なブザー音で、100Vの電源をオンにすれば音が鳴り、オフにすれば音が止まるという単純な構造です。今は実際に100Vブザーを鳴らすホール、劇場は少なくなっています。近年は、100Vブザーの代わりに再生機を使用し、再生機に保存したブザー音やチャイム、ジングル、アナウンスなどを音響システムから再生できるようにしています。

では、ブザーはどこでどうやって鳴らしているのでしょうか。ブザーを鳴らす遠隔制御スイッチは、たいてい舞台下手袖と音響室に設置されています。開演時間やお客さま、演者の状況を確認し、催し物の進行責任者の指示でブザーを鳴らします。

当社では、制御スタート(緑)、ストップ(赤)、6つの音の選択(白)スイッチで構成した遠隔制御スイッチを用意するのが標準的です。音色は、ブザー音のほか当社で制作した4種類のチャイムやメロディーを標準でセットしています。また、劇場が独自に制作されるメロディ、注意事項、地震やコロナウイルス感染症対策などのアナウンス音声にも対応できるようにしています。

開演ブザー遠隔制御スイッチ(据付型)
スイッチの種類:左から、白:再生音選択、緑:スタート、赤:ストップ

開演ブザー遠隔制御スイッチ(据付型)
スイッチの種類:左から、白:再生音選択、緑:スタート、赤:ストップ

開演ブザーを「確実に鳴らす」こだわり

技術的には開演ブザー遠隔制御スイッチをタッチパネル化することや、無線LANを使用してワイヤレス化することも可能です。しかし、確実な操作ができるよう、あえて操作はハードスイッチ、接続は有線を採用しています。また、クリック感のあるスイッチを採用したり、スタートボタンを誤って2回押してもブザーが2回再生されないよう、あるいはブザーの再生中に誤って曲の選択ボタンを押しても曲が変わらないよう回路設計を行うなど、誤操作への対策は万全を期しています。さらに、お客さまからのご要望があれば、移動型遠隔制御スイッチを製作することもあります。

ブザーはホール、劇場にとって非常に重要なものです。当社では、必要なタイミングで「確実に鳴らせる」ことを重視し、長年培ってきた技術とノウハウを投入しながらブザーシステムの構築や施工を行っています。

スタートの誤操作を防止する透明プラスチック製のスイッチカバー

スタートの誤操作を防止する透明プラスチック製のスイッチカバー

開演ブザー遠隔制御スイッチ(移動型)

開演ブザー遠隔制御スイッチ(移動型)

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