お世話になっている皆さまより

ヤマハサウンドシステムの10周年を記念して

浪花千葉音響計画有限会社 代表取締役 浪花 克治

浪花千葉音響計画有限会社 代表取締役 浪花 克治 様

もうヤマハサウンドテックさんと不二音響さんが合併して10年なんですね。
おめでとうございます。

思い起こせば、私が音響界に足を踏み込んで以来46年、わが人生とともに歩んでいるような気がして他人事ではなく、感慨にふけっています。

私が音響界に入門した頃、ヤマハサウンドテックさんは三精エンジニアリングという会社でした。その前は日音という会社があったと聞いていますが、帝国劇場の音響設備施工中に不幸にも解散されたようです。その解散により主要メンバーが多くの会社にわかれていったとのこと。その分派のひとつが三精エンジニアリングという会社で、主要メンバーとして頑張られたそうです。帝国劇場の音響設備を日音の解散にもかかわらず、完成までこぎつけたのが鈴木叡さんでした。のちに、三精エンジニアリングの技術部門の顔となった方です。

昭和48年に音響界に突入した私は、鈴木さんから「市民会館・公共ホールなど」の音響設備の基本の基本(人が使うこと、システムや回線の整合のとり方など、その頃はまだ伝送ラインシステムは電力伝送の形態600Ω回線網でした、また図面の書き方、配管配線図などの基本構成など)を教わりました。また同時に、人とのつながりの大切さも感じさせていただきました。大阪万博の鉄鋼館の建設以降、オペレータさんとの関係が何年も何年も続いているとのことでした。わが師の永田穂さん、三精エンジニアリングの江崎社長と鈴木技術部長は、現場の音響ミキサーの若林駿介さん、同氏のお弟子さんの及川公生さんともよい関係でした。そして、建設現場の建築や設備の工事関係者、そして音響に関わる研究者さんなどなど、、、三精エンジニアリングの鈴木さんやわが師の永田穂さんのおかげで数多くの方と知り合いになれたことが、私の中でとても大きな財産として今でも脈々として生き続けています。

さらには、もう一方の社である不二音響さんの大番頭だった松岡さんや技術主幹の磯部さん(後に社長さんになられました。合併前でした)、当時の若手営業技術の桜田さん(私と同い年でしたが3年先輩)にも同じように「劇場」などの音響設備の基本(使われ方など)とその人的資産を分けていただき、教わったような次第です。

このような、同じようでいてそれぞれ得意分野が微妙に違う、二つの会社が一緒になっていること自体が不思議な感じで、時の流れのすごさを感じています。今や前述の方々は既に卒業されていますのでご一緒に仕事、いや恩返しができません。できるのはせいぜいよい音響効果を出すべく諸先輩方の意に沿うようなよい音を追求し、使い勝手のよいシステムになるようにわれわれ設計サイドと施工、メーカーサイドが協力し合いながら、手を携えて若手を育てていくことしかできません。若手頑張り屋さんに音のこと(性状)、技術のこと(音響技術、音響システムの整合性等)を伝えることしかできないです。

そして現在までに幾度となく上述の2社、今はひとつになった日本ではトップのヤマハサウンドシステムさんとともに劇場、ホールの音響設備の構築に参加させていただき、すばらしい結果をもって御施主さんはもちろん使われるホール・劇場の音響技術者の方々にも満足していただいているようです。

ここで注目すべきは、工事が完成して初めて産声を上げているという考え方がヤマハサウンドシステムさんの社内では普通になっているということです。これは当たり前のようで決して並大抵の認識ではないと思います。工事が終われば仕事も終わる、と考えるのが一般的ではないでしょうか。でもヤマハサウンドシステムさんは違います。完成してからが本当の、施主・音響担当者さんとの、お付き合いが現場の使用を通して始まるのだと。これが本当のプロの仕事だと思います。現場での演目(実使用)を通さないと設備の(御酒にたとえて)熟成ができない、おいしい御酒にならない、使い勝手のいい音のいい設備に昇華しない。なぜならば人の手によってのみ音、音響システムは熟成します。人が使う設備・装置・機器ですから。このことが音響設備を手がける上での基本的スタンスでしょう。これをわかって仕事をしていただいていますので信頼性が抜群なのもうなずけます。これからも初心や基本を大事にして一緒にいい音を使いやすい素晴らしいシステムにしていきましょう。われわれも微力ながら応援させていただきます。

蛇足ですが、この成功の遠因を勝手に想像してみますと、、、

・人とのつながりが仕事を遂行する上でとっても重要
(これがないと知識やノウハウがうまくかみ合わない、進まないこともしばしば)

・有能な人材のアウトソーシングをいとわない、生え抜きにとらわれない優秀な人材の登用

・若者への技術移転、伝承

・勉強会の社内開催

・メーカーと施工者の立場の両立

・(前出ではありますが)人が使うことが前提となっていること

すなわち、運用技術者、施主・所轄担当者方の意見をよ~く拝聴し意見を取り入れ技術や運用条件を整理して事に当たっていること。

すくなくとも施主担当者との意見交換をしない、現場調査しない、ただひたすら作図や見積を作る、など、「あり得ないことはあり得ないこととしている」のが素晴らしく、信頼がおける、ことにつながっていると思われます。

以上、長くなりました。これからも頑張って頂ければこんなに嬉しいことはありません。ありがとうございました。これからもよろしくです。

浪花千葉音響計画スタッフ 鈴木 健斗(写真左)と関原 成美(写真右)
浪花千葉音響計画スタッフ 鈴木 健斗(写真左)と関原 成美(写真右)

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